「お墓を守る人がいなくなった」
「子どもに負担をかけたくない」
「自分たちが元気なうちに、お墓のことを片付けておきたい」
こうした理由から墓じまいを検討される方が、年々増えています。
ところが、いざ動き出そうとすると、多くの方が同じところでつまずきます。
結論からお伝えします。
墓じまいは、墓石を撤去する「工事」だけではありません。
ご遺骨の新しい供養先を決め、行政手続きを行い、墓石を撤去し、新しい場所へ納骨するまでが一連の流れです。
そして、この順番を間違えると、手戻りが発生して費用も時間も余計にかかります。
この記事では、行政書士・石材店・お寺それぞれの役割と、失敗しない進め方を整理します。
- 相談先まだ何も決まっていない段階なら、最初は行政書士。全体の流れと順番を整理してから動くのが最短ルート。
- 費用目安墓じまい全体で総額50万〜150万円(墓地の広さ・供養先で変動)。
- 対応エリア全国対応(大阪・箕面の事務所より郵送・オンラインで対応)。遠方のお墓でもご依頼いただけます。
- メリット役所へ行く時間が取れない方、現地へ何度も行けない方の書類作成・申請の代行が可能。
- 石材店お決まりでなければ信頼できる石材店のご紹介も可能。もちろん強制ではありません。
墓じまいとは「お墓をなくすこと」ではありません
墓じまいという言葉から、「お墓を壊して終わり」と考える方がいらっしゃいます。
しかし実際には、お墓の中には大切なご遺骨があります。
墓じまいとは、正確には次の4つをまとめた手続きです。
- 1ご遺骨を取り出す
- 2新しい供養先へ移す(改葬)
- 3墓石を撤去し、更地に戻す
- 4墓地を管理者へ返還する
近年は、新しくお墓を建てる方よりも、永代供養墓・樹木葬・納骨堂・合祀墓へ改葬される方が多数派になっています。
ここが最重要ポイント
墓じまいで先に考えるべきは「墓石をどうするか」ではなく、「ご遺骨をどこで供養するか」です。供養先が決まっていないと、改葬許可の申請そのものができません。
墓じまいの正しい順番【6ステップ】
墓じまいをスムーズに進めるには、次の順番がおすすめです。
- 1家族・親族で話し合う
後々のトラブルを防ぐため、最初に合意形成をします。 - 2新しい供養先を決める
永代供養墓・樹木葬・納骨堂・合祀墓など。受入証明書が必要になります。 - 3墓地管理者(お寺等)へ相談する
埋蔵証明、閉眼供養の日程、離檀のご相談。 - 4改葬許可の手続きを行う
お墓のある市区町村へ申請します。ここが行政書士の出番です。 - 5石材店へ墓石撤去を依頼する
閉眼供養当日に合わせて工事日程を調整します。 - 6ご遺骨を新しい供養先へ納める
順番を間違えると、こうなります
・改葬先が決まっていないため申請できない
・石材店へ先に依頼したが、許可が下りず工事日程が合わない
・必要書類が不足していて役所で受理されない
墓じまいは「相談・親族の話し合い」から「行政手続き(改葬許可)」「石材店への撤去依頼と工事」「新しい場所へ納骨」まで続く一連の流れ。行政書士は行政手続き、石材店は墓石工事、お寺は閉眼供養と離檀のご相談を、それぞれ分担して支えます。
石材店の役割:墓石工事の専門家
- 墓石の解体・撤去
- 更地への原状回復
- ご遺骨の取り出し
- 閉眼供養当日の工事対応
墓石の構造や施工方法については、石材店が最も専門的な知識を持っています。
墓石の撤去そのものは、必ず石材店へ依頼することになります。
行政書士の役割:行政手続きの専門家
- 改葬許可申請書の作成・提出代行
- 必要書類の確認とご案内
- 墓地管理者との書類調整
- 市区町村への手続き
- 墓じまい全体のスケジュール設計
次のような方は、行政書士へご相談いただくことで負担を大きく減らせます。
お寺の役割:長年お世話になった管理者
菩提寺がある場合は、お寺とのご相談も欠かせません。
- 閉眼供養(魂抜き)の日程
- ご遺骨取り出しの立会い
- 埋蔵証明書の発行
- 離檀に関するご相談
長年お世話になったお寺との関係を大切にしながら進めることも、円満な墓じまいには欠かせません。
離檀料について
離檀料は、法律上の支払い義務があるものではありません。あくまで感謝のお気持ちとしてお渡しするものです。金額に納得できない場合は、まず冷静に話し合うことをおすすめします。なお、金銭を巡る交渉の代理は弁護士の業務となるため、行政書士はお受けできません。
「石材店と行政書士、どちらに依頼すればいいですか?」
当事務所でも、このご質問を非常に多くいただきます。
実は、この二つは競争相手ではありません。役割がまったく違います。
| 相談先 | 専門分野 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 行政書士 | 行政手続き | 改葬許可申請、書類作成・提出代行、全体の流れの整理 |
| 石材店 | 墓石工事 | 墓石の解体・撤去、更地化、ご遺骨の取り出し |
| お寺 | 供養・管理 | 閉眼供養、埋蔵証明、離檀のご相談 |
どちらか一方だけで完結するものではなく、それぞれが専門分野を担当します。
だからこそ、最初に全体像を整理しておくことが、遠回りしないための近道になります。
墓じまいの費用相場【総額50万〜150万円】
費用は「墓石の撤去費」と「新しい供養先の費用」の二つが大きな柱です。目安は次のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 墓石の解体・撤去工事 | 1㎡あたり 10万〜20万円 |
| 閉眼供養のお布施 | 3万〜10万円 |
| 離檀料(任意) | 3万〜20万円 |
| 改葬許可申請手数料(自治体) | 無料〜1,000円程度 |
| 新しい供養先 (合祀・永代供養墓・樹木葬・納骨堂) | 合祀 3万〜10万円 永代供養墓 10万〜50万円 樹木葬 20万〜80万円 納骨堂 20万〜100万円 |
| 総額の目安 | 50万〜150万円 |
※金額はいずれも目安です。墓所の広さ、立地(重機が入れるか)、ご遺骨の数によって変動します。正確な工事費は石材店の現地見積りが必要です。
※上記のほか、当事務所の手続きサポート報酬と実費(戸籍・証明書の取得費用、郵送費等)が別途かかります。報酬額はご事情をうかがったうえでお見積りいたします。墓じまいは、一定の費用が必ず発生する手続きです。ご予算の目安をお決めいただいたうえでご相談いただくと、話が早く進みます。
住み慣れたご自宅で、お茶を挟みながら墓じまいのご事情をうかがう場面。ご家族の状況やお墓の場所は一軒ごとに違うため、まずはゆっくりお話をお聞きするところから始まります。
行政書士へ最初に相談するメリット
墓じまいを考え始めた段階では、「まだ石材店も決めていない」という方がほとんどです。
そのような場合、先に全体の流れを整理しておくと、その後の手続きが一気にスムーズになります。
- 今の段階で決めるべきことは何か
- 改葬許可はいつ、どこへ申請するのか
- 石材店へ依頼するベストなタイミング
- 集める必要のある書類は何か
- おおよその総額と、かかる期間
これは工事ではなく、墓じまい全体のスケジュールを設計する作業です。
石材店のご紹介も可能です
「信頼できる石材店を知らない」「何社も探す時間がない」というご相談もよくいただきます。
当事務所では、必要に応じて信頼できる石材店をご紹介することも可能です。
もちろん、石材店を指定するものではありません。すでにお付き合いのある石材店があれば、そのまま進めていただけますし、ご自身で探された石材店をご利用いただくこともできます。ご相談者様のご希望を尊重しながら進めます。
墓じまいでよくいただくご相談
Q. 永代供養と樹木葬は何が違うのですか?
A. 永代供養は「管理・供養を寺院や霊園が続けてくれる仕組み」の呼び名で、樹木葬は「墓石の代わりに樹木を墓標とする埋葬方法」です。樹木葬の多くは永代供養が付いていますが、別々の概念とお考えください。
Q. 改葬許可は必ず必要ですか?
A. 墓地に埋蔵されているご遺骨を他の場所へ移す場合は、墓地埋葬法にもとづき、お墓のある市区町村長の改葬許可が必要です。無許可で移すことはできません。
Q. 遠方のお墓でも依頼できますか?
A. はい。当事務所は全国対応です(大阪・箕面の事務所より郵送・オンラインで対応)。北海道でも九州でも、書類のやり取りは郵送とメール、打ち合わせはお電話やオンラインで進められます。
Q. 親族が県外に住んでいます。書類は集められますか?
A. 必要書類の一覧と、どなたに何をお願いすべきかを整理してご案内します。取得代行が可能なものは当事務所でお引き受けします。
Q. 離檀料は必ず支払わなければなりませんか?
A. 法的な支払い義務はありません。あくまでお気持ちとしてお渡しするものです。ただし、金額交渉の代理は弁護士の業務となるため、行政書士はお受けできません。
Q. 石材店はどうやって選べばいいですか?
A. 現地を見たうえで書面見積りを出してくれるか、追加費用の条件が明記されているか、この2点は必ずご確認ください。ご希望があれば当事務所からご紹介も可能です。
Q. 手続きにはどのくらい時間がかかりますか?
A. 供養先が決まっていれば、改葬許可の取得までおおむね2週間〜1か月程度です。ご親族の話し合いや供養先選びも含めると、3か月〜半年ほどみておくと安心です。
まとめ:墓じまいは「全体の流れ」を知ることが第一歩
墓じまいは、一つの工事ではありません。
供養先を決め、行政手続きを行い、墓石を撤去し、新しい供養先へご遺骨を納めるまでが一つの流れです。
どこへ相談すればよいか迷われた場合は、まず全体の流れを整理することをおすすめします。その上で、必要に応じて石材店やお寺と連携しながら進めれば、余計な手戻りも費用もかからず、安心して墓じまいを終えられます。
フジ行政書士事務所では、改葬許可申請をはじめとする墓じまいの書類作成・申請の代行を行っています。ご希望に応じて、信頼できる石材店のご紹介も可能です。
「何から始めればよいかわからない」という段階でも構いません。
全国対応(大阪・箕面の事務所より郵送・オンラインで対応)。まずはお気軽にご相談ください。
