相続人が多い墓じまいは行政書士へ|全員の同意は不要?揉めない進め方と費用|全国対応

「兄弟姉妹が5人いて、話がまとまらない」
「代襲相続人がいるが、顔も名前も分からない」
「親族と20年以上、連絡を取っていない」

墓じまい(改葬)のご相談で、石材店の見積もりよりも先に行き詰まるのが、この「人」の問題です。お墓を撤去する作業自体は数日で終わります。しかし、誰が中心になって進めるのかが曖昧なまま着手すると、あとから「聞いていない」という声が出て、寺院や霊園まで巻き込んだ話し合いに発展することがあります。

この記事では、相続人・親族が多い場合の墓じまいについて、法律上のルール・実務の進め方・費用の目安・行政書士ができることを整理してご説明します。

10秒でわかる この記事の結論
結論1
墓じまいに「親族全員の同意」は法律上の要件ではありません。手続きを行うのは、原則としてお墓を承継している人(祭祀承継者)1名です。
結論2
ただし同意不要=説明不要ではありません。トラブルの大半は「事前に一言なかった」ことが原因です。
費用目安
総額 およそ30万〜150万円(墓石撤去+新しい供養先+実費)。親族が多い場合は戸籍の取得通数が増える分、実費が上がります。
当事務所
戸籍の収集、改葬許可申請書類の作成・提出代行、親族への説明資料の作成をお手伝いします(紛争の代理交渉は行いません)。
対応エリア
全国対応(大阪・箕面の事務所より郵送・オンラインで対応)
目次

1. 相続人が多い墓じまいで、実際に起きていること

よくある4つのパターン

  • 子どもが5人以上いる/それぞれに家庭があり、方針が分かれる
  • 故人に子がなく、兄弟姉妹が相続人になっている
  • すでに亡くなった相続人の子(代襲相続人)がいて、人数が一気に増えた
  • 親族同士が長年疎遠で、住所も連絡先も分からない

これらに共通するのは、「誰が決めていいのか、誰も確信を持てない」という状態です。全員が遠慮し合って何年も動かないケースもあれば、逆に一人が善意で進めた結果、後から強い反発を受けるケースもあります。

なぜ「人数」がここまで問題になるのか

お墓には、預貯金や不動産のような明確な持ち分がありません。金額で分けられないものだからこそ、感情の比重が大きくなります。「うちの親の骨も入っている」「父が守ってきたお墓だ」といった思いは、法律上の権利とは別の次元で存在します。

だからこそ、法律上のルールを正しく押さえたうえで、手順を踏んで進めることが、結果的にいちばんの近道になります。

2. 墓じまいは「相続手続き」とは別物です

まず前提として、お墓は一般的な相続財産ではありません。民法上、系譜(家系図)・祭具(仏壇や位牌)・墳墓(お墓)は「祭祀財産」として、通常の遺産とは切り離して扱われます。

比較項目相続財産(預貯金・不動産など)祭祀財産(お墓・仏壇など)
分け方相続人全員で遺産分割協議分割せず、原則1名が承継
法定相続分ありなし
相続放棄との関係放棄すれば取得しない相続放棄をしても承継できる
決まり方遺言・協議・調停被相続人の指定 → 慣習 → 家庭裁判所の審判
名義登記・口座名義霊園・寺院の使用者名義
ここが重要です 墓じまいの手続きを進める権限を持つのは、原則として「墓地の使用者(=祭祀承継者)」1名です。相続人が10人いても、10人分の同意書が制度上求められるわけではありません。

3. 「全員の同意」は不要。それでも説明が必要な理由

改葬(お墓の引っ越し)には、市区町村長が発行する改葬許可証が必要です。申請の際に一般的に求められるのは、次の書類です。

  • 改葬許可申請書(墓地使用者が申請
  • 埋葬証明書(現在の墓地管理者が発行)
  • 受入証明書(新しい供養先が発行)
  • 申請者の本人確認書類、使用者と異なる場合は承諾書 など

ご覧のとおり、「親族全員の同意書」は書類のリストに入っていません。ただし、これはあくまで行政手続き上の話です。

実務でいちばん多いトラブル 遺骨を移した後になって、「勝手にやった」「先祖の墓を潰した」という抗議が出るケースです。すでに墓石は撤去され、遺骨も移動済み。原状回復はできません。

このとき問題になるのは「同意の有無」ではなく、「知らされていなかった」という一点です。着手前に一枚の書面を送っておくだけで防げたはずのものが、大半を占めます。
相続人・親族が多い場合の墓じまいの進め方を示すイメージ
親族が多いほど、着手前の情報共有が墓じまいの成否を分けます

4. 特に慎重な進行が必要なケース

こんな状況起こりやすい問題先にやるべきこと
お墓の名義人が分からない申請者を確定できず手続きが止まる墓地管理者に使用者名義を照会
名義人がすでに死亡承継の届出が未了で申請不可墓地管理者へ承継手続きを先行
代襲相続人が複数いる関係者の把握漏れ・後日の抗議戸籍で範囲を確定してから通知
親族が全国に散在連絡・日程調整が長期化説明資料を作り一斉に書面通知
長年連絡を取っていない住所不明で通知できない戸籍の附票で現住所を確認
すでに意見が対立している行政手続きでは解決しない弁護士へのご相談を推奨

5. 相続人が多い場合の進め方(5ステップ)

STEP 1
お墓の名義(使用者)を確認する

すべての出発点です。霊園・寺院に問い合わせ、誰の名義になっているかを確認します。名義人がすでに亡くなっている場合は、先に承継手続きが必要です。

STEP 2
戸籍で「関係者の範囲」を確定させる

誰に声をかけるべきかを、記憶ではなく戸籍で客観的に確定します。代襲相続人がいる場合、思っていた倍の人数になることは珍しくありません。戸籍の附票で現住所も確認できます。

STEP 3
説明資料を作り、書面で一斉に通知する

ここが最大のポイントです。電話や口頭では「言った・聞いていない」になります。理由・時期・移転先・費用負担・連絡先をまとめた書面を、同じ内容で全員に送ります。全員から返事が来なくても、通知した記録が残ることに大きな意味があります。

STEP 4
新しい供養先を決める

永代供養墓・納骨堂・樹木葬・海洋散骨など。人数が多いときは、「今後お参りしやすいか」を基準にすると意見がまとまりやすくなります。受入証明書を発行してもらいます。

STEP 5
改葬許可申請から遺骨の移動まで

現在の墓地がある市区町村に改葬許可申請を行い、許可証を受け取ります。その後、閉眼供養・遺骨の取り出し・墓石撤去・新しい供養先への納骨と進みます。

6. 費用の目安

項目相場の目安備考
墓石の撤去・処分1㎡あたり
8万〜15万円
重機が入れない区画は高くなります
閉眼供養のお布施3万〜10万円宗派・地域により幅があります
離檀料0〜20万円法律上の支払義務はありません(慣習上の謝礼)
改葬許可申請手数料0〜1,500円程度自治体により異なります
戸籍・除籍謄本1通450〜750円親族が多いほど通数が増加
新しい供養先5万〜150万円永代供養・納骨堂・樹木葬・散骨で大きく変動
行政書士報酬3万〜10万円程度書類作成・戸籍収集の代行

総額はおおむね30万〜150万円に収まるケースが多くなります。費用負担については法律上の決まりがないため、承継者が負担する/相続人で分担する/お墓の維持費の残余から充てるなど、事前の取り決めが重要です。

墓じまいの費用と手続きの流れを整理するイメージ
必要な箇所だけを代行依頼すると安くなるので行政書士にご相談を。

7. 行政書士ができること・できないこと

内容対応担当
戸籍・除籍・改製原戸籍の収集対応可行政書士
戸籍の附票による住所調査対応可行政書士
改葬許可申請書の作成・提出代行対応可行政書士
親族への説明資料・通知文の作成対応可行政書士
手続き全体の流れのご案内対応可行政書士
親族間の紛争の代理交渉・調停対応不可弁護士
祭祀承継者指定の審判申立て対応不可弁護士
不動産の相続登記対応不可司法書士

当事務所が行うのは書類の作成と申請の代行です。すでに親族間で法的な争いが生じている場合は、弁護士へのご相談が適切です。まだ揉めていない段階であれば、書類と情報を整えることでトラブルそのものを防げます。

あわせて読みたい 墓じまい代行の費用はいくら?内訳と相場、依頼先の選び方を解説

8. よくいただくご相談

Q. 親族全員の同意がないと墓じまいはできませんか?
A. 法律上、全員の同意は要件ではありません。改葬許可申請を行うのは墓地使用者(祭祀承継者)です。ただし、後日のトラブルを避けるため、着手前に書面で説明・通知しておくことを強くおすすめします。
Q. 兄が名義人ですが、次男の私が進めても大丈夫ですか?
A. 名義人ご本人以外が手続きを進める場合、墓地管理者から名義人の承諾書を求められるのが一般的です。まずは名義の変更(承継届)を行うか、承諾書をいただく形で進めます。
Q. 連絡先が分からない親族がいます。どうすればよいですか?
A. 戸籍と戸籍の附票をたどることで、現在の住所を確認できる場合があります。当事務所で必要な戸籍の収集をお手伝いします。それでも所在が判明しない場合の対応は、状況に応じてご案内します。
Q. 離檀料は必ず支払わなければなりませんか?
A. 離檀料に法律上の支払義務はありません。あくまで慣習上の謝礼です。高額を請求され話し合いがつかない場合は、法的な交渉が必要となるため弁護士へのご相談となります。
Q. できるだけ費用をかけずに進めたいのですが。
A. ご事情はよくうかがいます。ただし、墓石の撤去費用・新しい供養先の費用・行政への実費は必ず発生します。費用をかけずに完了させる方法はございません。ご予算の範囲でどこまで対応できるかは、初回のご相談でお伝えします。
Q. 大阪以外に住んでいますが、依頼できますか?
A. 全国対応しております。大阪・箕面の事務所より、郵送とオンラインでのやり取りで手続きを進めます。ご来所いただく必要はありません。

9. 早めのご相談が、スムーズな墓じまいにつながります

相続人や親族が多い場合、「まだ揉めていないから大丈夫」という段階こそが、いちばん動きやすいタイミングです。手続きを始めてから意見の違いが表面化すると、収拾に時間も費用もかかります。

誰が承継者なのか、誰に声をかけるべきか、どの書類が必要か。この3点を先に整理しておくだけで、その後の進行は大きく変わります。

親族が多い墓じまいのご相談
フジ行政書士事務所(全国対応)

「親族が多くて、どこから手をつければいいか分からない」
「戸籍を集めるところから頼みたい」
そのような段階でのご相談を歓迎しています。まずはお気軽にご連絡ください。

とりあえずLINEで相談する フジ行政書士事務所ホームページ

※ 墓じまいには、墓石の撤去費用・新しい供養先の費用・行政への実費など、最低限の費用が必ず発生します。あらかじめご了承ください。
※ すでに親族間で法的な紛争が生じている場合は、弁護士のご紹介・ご案内となります。

フジ行政書士事務所
大阪府箕面市(北摂エリア)/墓じまい・改葬手続きは全国対応
TEL 072-734-7362
取扱業務:改葬許可申請、戸籍収集、相続関係書類の作成、入管手続き、会社設立 ほか
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この記事を書いた人

大阪府箕面市のフジ行政書士事務所代表。改葬許可申請など、墓じまいに伴う行政手続きや書類作成を支援しています。ご家族や寺院への配慮を大切にし、遠方のお墓にも対応しています。大阪府行政書士会所属(登録番号 第24261915号)。

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