改葬許可証とは?墓じまいの必要書類と申請の流れを行政書士が解説

「墓じまいをしたいが、役所で何をもらえばいいのか分からない」——ご相談で最も多いのがこの疑問です。墓じまいは、お墓を撤去するだけでは終わりません。ご遺骨を動かすには、市区町村が発行する「改葬許可証」が法律上必ず必要です。この記事では、行政書士が必要書類・申請の流れ・費用の目安・つまずきやすいポイントまで、実務の視点で整理しました。

10秒でわかる|改葬許可証のポイント

改葬許可証とは
ご遺骨を今のお墓から別の場所へ移すことを、市区町村が正式に認める許可証。墓地埋葬法第5条により取得は必須です。
手数料の目安
市区町村への申請手数料は無料〜1,000円程度(ご遺骨1体につき)。墓じまい全体では30万〜100万円が一般的な目安です。
発行までの期間
書類がそろえば即日〜1週間程度。ただし受入証明書や埋葬証明書の取得に数週間かかることがあります。
専門家に頼むメリット
書類の不備による差し戻しを防ぎ、複数の自治体・寺院とのやり取りをまとめて代行。ご自身の負担を大幅に減らせます。
対応エリア
全国対応(大阪・箕面の事務所より郵送・オンラインで対応いたします)
目次

1. 改葬許可証とは?墓じまいに必須の法的手続き

改葬許可証とは、すでに埋葬されているご遺骨を、別の納骨先へ移すことを市区町村長が許可したことを証明する書類です。根拠となるのは「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」第5条で、改葬を行うには死体・遺骨のある場所の市区町村長の許可を受けなければならないと定められています。

ここで多くの方が誤解されるのが、「お墓を撤去する工事」と「ご遺骨を移す手続き」は別物だという点です。石材店に依頼すれば墓石の撤去はできますが、改葬許可証がなければ、新しい納骨先はご遺骨を受け入れてくれません。行政手続きが先、工事が後、という順序をまず押さえてください。

許可を受けずに改葬すると罰則の対象になります「勝手に持ち帰ればよい」と考える方がいらっしゃいますが、墓地埋葬法第21条により、無許可の改葬は拘留または科料の対象となります。また、正規の許可証がないご遺骨は、ほとんどの霊園・納骨堂で受け入れを断られます。

2. 改葬許可証が必要になるケース・不要なケース

必要になるケース

結論から言えば、ご遺骨が物理的に移動する場合はすべて必要とお考えください。

ケース許可証
新しい墓地・納骨堂・永代供養墓へ移す必要
合祀墓(合葬墓)へ移す必要
自宅供養・手元供養に切り替える必要(自治体により取扱いに差あり)
樹木葬・海洋散骨のために取り出す必要
同じ墓地内の別区画へ移す必要な場合が多い

判断に迷いやすいケース

手元供養や散骨は「新しい納骨先」が存在しないため、受入証明書を用意できません。この場合、自治体によっては誓約書や理由書の提出で代替できることがあります。窓口ごとに運用が異なる部分ですので、事前確認が欠かせません。

改葬許可証に必要な3つの書類と申請から遺骨移動までの手続きの流れを示した図解
受入証明書・埋葬証明書・改葬許可申請書の3点がそろって初めて改葬許可証が交付されます。許可証が出て初めて、元のお墓から新しい納骨先や手元供養へご遺骨を移すことができます。

3. 申請に必要な3つの書類【行政書士が解説】

自治体ごとに細かな違いはありますが、基本となるのは次の3点です。

(1) 受入証明書(新しい納骨先が発行)

移転先の霊園・納骨堂・寺院が「このご遺骨を受け入れます」と証明する書類です。「永代使用許可証」「墓地使用許可証」の写しで代用できる自治体もあります。実務上、ここが最も時間のかかる工程です。人気の永代供養墓や納骨堂は事務処理が混み合い、発行まで2〜3週間かかることも珍しくありません。

(2) 埋葬証明書(現在の墓地管理者が発行)

今のお墓の管理者(寺院・霊園・自治体)が「ここにこのご遺骨が埋葬されています」と証明する書類です。

よくある誤解:「埋葬許可証」と「埋葬証明書」は別物です火葬時に交付された埋葬許可証は、納骨の際に墓地管理者へ提出済みで手元にないのが通常です。改葬で必要になるのは、現在の管理者が新たに発行する埋葬証明書。多くの自治体では、改葬許可申請書の中に「墓地管理者の証明欄」が設けられており、そこに署名・押印をもらう形式になっています。

(3) 改葬許可申請書(市区町村指定の様式)

元のお墓がある市区町村役場が用意する様式です。死亡者の氏名・本籍・死亡年月日・埋葬年月日・改葬の理由・改葬先などを記入します。ご遺骨1体につき1枚が原則で、先祖代々のお墓で6体分の骨壺があれば、6通の申請と6通の許可証が必要になります。

古いお墓ほど「誰が埋葬されているか分からない」問題が起きます明治・大正期からのお墓では、死亡年月日や本籍が不明なケースが頻発します。この場合は除籍謄本や改製原戸籍をたどって特定する必要があり、ここが個人で進める際の最大の壁になります。当事務所では、この戸籍調査から一括してお引き受けしています。

4. 改葬許可証の申請から納骨までの流れ

  1. 1新しい納骨先を決める永代供養墓・納骨堂・樹木葬・手元供養など。ここが決まらないと手続きが始まりません。
  2. 2受入証明書を取得する新しい納骨先へ依頼。発行まで数日〜3週間程度みておくと安心です。
  3. 3埋葬証明を受ける現在の墓地管理者・寺院へ依頼。この時点で離檀の意向も併せて相談します。
  4. 4市区町村へ申請する元のお墓がある自治体の窓口へ提出。郵送申請に対応する自治体も増えています。
  5. 5改葬許可証が交付される即日〜1週間程度。ここまでが行政手続きです。
  6. 6閉眼供養・墓石の撤去魂抜きの法要を行い、石材店が墓石を撤去して更地に戻します。
  7. 7新しい納骨先へ納骨改葬許可証を提出して納骨。ここで墓じまいが完了します。

全体の所要期間は、スムーズに進んで2〜3か月、寺院や親族との調整が必要な場合は半年以上かかることもあります。お盆やお彼岸を目標にされる場合は、逆算して早めに動き出してください。

5. 費用の目安|手数料は安い、しかし全体では数十万円

「改葬許可証の手数料」だけを見ると非常に安価ですが、墓じまい全体では相応の費用がかかります。予算計画のために全体像を把握しておきましょう。

項目費用の目安支払先
改葬許可申請手数料無料〜1,000円程度/1体市区町村
受入証明書・埋葬証明書0〜1,500円程度墓地管理者・寺院
戸籍謄本等(必要な場合)1通450〜750円市区町村
閉眼供養(お布施)3万〜10万円寺院
墓石の撤去・整地1平方メートルあたり10万〜15万円石材店
離檀料(任意・法的義務なし)3万〜20万円寺院
新しい納骨先5万〜150万円霊園・納骨堂等
行政書士報酬(書類作成・手続き代行)内容に応じてお見積り行政書士

※金額は一般的な相場であり、地域・墓地の広さ・宗派によって変動します。正確な金額は必ず個別にお見積りをお取りください。

「この金額はとても用意できない」という段階でご相談に来られる方も少なくありません。予算が限られている場合の現実的な進め方については、墓じまいのお金がないときの対処法で詳しくまとめています。

6. よくあるトラブルと回避方法

親族の同意が得られない

法律上、改葬許可申請そのものに親族全員の同意書は原則として不要です(自治体によっては祭祀承継者以外の申請時に同意書を求められます)。しかし後々の感情的な対立を避けるため、事前の合意形成が実務上は最重要です。「管理できなくなった」「継ぐ人がいない」という事情を、資料を示しながら丁寧に説明することをおすすめします。

寺院から高額な離檀料を請求された

離檀料はあくまでお布施であり、法的な支払義務はありません。金額の明確な相場もありません。まずは長年の供養への感謝を伝えたうえで、事情と予算を率直にお話しすることが解決の近道です。

行政書士の業務範囲について行政書士がお手伝いできるのは、書類の作成・収集と、役所への申請の代行です。金額をめぐる交渉の代理や、親族間の紛争解決は弁護士の業務となります。当事務所では、書面の整備と一般的な進め方のご助言を行い、法的な争いに発展しそうな場合は弁護士のご案内をいたします。

受入証明書がなかなか届かない

納骨先の事務処理が混み合う年末年始やお彼岸前は、発行が遅れがちです。新しい納骨先を決めた時点で、すぐに依頼をかけておきましょう。

骨壺の数が想定より多かった

お墓を開けたら骨壺が想定の倍あった、というケースは実際によく起こります。申請書は1体1通が原則のため、追加申請が必要になり、日程が後ろにずれます。可能であれば事前に墓地管理者へ埋葬記録を確認しておいてください。

行政書士が高齢のご夫婦に墓じまいと改葬許可証の手続きを説明している相談風景
改葬許可証の申請は、ご家族の合意形成とセットで進めるとスムーズです。ご夫婦・ご兄弟そろってのご相談も承っており、その場で必要書類と全体の日程を整理いたします。

7. 行政書士に依頼するメリット

墓じまいは、市区町村・寺院・霊園・石材店と、関係者が同時に4者以上になります。しかも多くの方にとって一生に一度の手続きです。行政書士が入ることで、次のような負担が軽くなります。

お困りごと行政書士のサポート
書類の不備で何度も役所へ行った記載事項を精査し、差し戻しを防ぎます
遠方のお墓で現地へ行けない郵送申請・書類収集を代行します
誰が埋葬されているか分からない戸籍をたどって埋葬者を特定します
自治体ごとにルールが違う窓口ごとの運用差を事前に確認します
寺院への切り出し方が分からない書面の整備と一般的な進め方を助言します

特にご遺骨の数が多い場合、お墓が遠方にある場合、埋葬者の情報が不明な場合は、ご自身で進めるより専門家に任せたほうが、時間・交通費の両面で結果的に負担が小さくなるケースが多くあります。

8. よくあるご質問(Q&A)

Q. 改葬許可証はどれくらいで発行されますか?

A. 書類がそろっていれば、即日〜1週間程度で交付されるのが一般的です。郵送申請の場合は往復の日数を加えてお考えください。

Q. 埋葬許可証を紛失してしまいました。どうすればよいですか?

A. 改葬で必要なのは、現在の墓地管理者が発行する「埋葬証明書」です。火葬時の埋葬許可証が手元になくても問題ありません。なお火葬許可証の写しが必要な場合は、火葬を行った市区町村で再交付を受けられます。

Q. 親族の同意が得られない場合、申請できませんか?

A. 申請自体は祭祀承継者が行えるのが原則で、全員の同意書を必須とする自治体は多くありません。ただし後の対立を避けるため、事前の話し合いを強くおすすめします。当事務所では第三者の立場から、説明資料の整備をお手伝いします。

Q. 手元供養や散骨のためでも許可は必要ですか?

A. 必要です。お墓からご遺骨を取り出す時点で改葬にあたります。受入証明書が用意できないため、誓約書等での代替について事前に自治体へ確認してください。

Q. 骨壺が複数ある場合、許可証は1通で足りますか?

A. 原則としてご遺骨1体につき1通です。骨壺が6つあれば6通の申請と6通の許可証が必要になります。

Q. 大阪以外に住んでいますが依頼できますか?

A. 全国対応しております。大阪・箕面の事務所より、郵送とオンライン(LINE・メール・Web面談)でお手続きを進めます。お墓が遠方にある方こそ、代行のメリットが大きくなります。

Q. 費用をできるだけ抑えたいのですが。

A. ご事情に応じて、書類作成のみのご依頼など段階的なプランをご用意しています。ただし、役所の手数料・閉眼供養・墓石撤去・新しい納骨先の費用は、どなたが進めても必ず発生します。まったく費用をかけずに墓じまいを完了することはできませんので、その点はあらかじめご承知おきください。

9. まとめ

墓じまいの工程の中で、改葬許可証はご遺骨を動かすための前提条件であり、すべての段取りの中心にあります。逆に言えば、ここさえ確実に押さえれば、墓じまい全体の見通しは一気に立ちやすくなります。

ポイントは3つです。①受入証明書は最も時間がかかるので最優先で動く。②必要なのは埋葬許可証ではなく埋葬証明書。③申請はご遺骨1体につき1通。この3点を押さえたうえで、無理のない日程を組んでください。

「どこから手をつければよいか分からない」という段階でも構いません。現状をお聞きしたうえで、必要な書類と全体の流れ、費用の見通しを整理してお伝えします。

墓じまい・改葬のご相談はフジ行政書士事務所へ

改葬許可申請書の作成、受入証明書・埋葬証明書の収集、埋葬者を特定するための戸籍調査、自治体への申請代行まで一括してお引き受けします。お墓の所在地・ご遺骨の数・移転先のご希望をお聞かせいただければ、必要な手続きと概算費用をご案内いたします。まずはお気軽にご連絡ください。

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全国対応(大阪・箕面の事務所より郵送・オンラインで対応いたします)

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この記事を書いた人

大阪府箕面市のフジ行政書士事務所代表。改葬許可申請など、墓じまいに伴う行政手続きや書類作成を支援しています。ご家族や寺院への配慮を大切にし、遠方のお墓にも対応しています。大阪府行政書士会所属(登録番号 第24261915号)。

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