親が亡くなったあと何をすればいい?戸籍・預金・保険・不動産・お墓を整理する順番

親が亡くなったあとは、葬儀が終わった直後から、死亡届や年金の手続き、預貯金、生命保険、不動産、借入れ、お墓のことが一度に出てきます。

家族であっても、親がどの銀行を使っていたのか、どんな保険に入っていたのか、自宅以外に土地を持っていたのかまで把握しているとは限りません。「何を持っていたのか分からない」というところから相続が始まる家庭は少なくありません。

この記事では、細かい手順ではなく、何を、どの順番で整理すればよいのかという全体像をまとめます。詳しい調べ方や依頼できる範囲は、それぞれの記事へ進める構成にしています。

この記事の結論

・最初にやることは「期限のある手続き」と「時間をかけて調べること」を分けることです。
・調べる順番は、戸籍(相続人)→預貯金→生命保険→不動産→借金→お墓です。
・お墓は預貯金や不動産とは別の扱いで、相続放棄をしても自動的には片付きません。
・全部を一人で終わらせる必要はありません。分からない部分だけを行政書士に相談することもできます。

目次

まず「期限がある手続き」と「調べる手続き」を分ける

親が亡くなったあとに混乱しやすいのは、すべてを同時に考えてしまうためです。期限が決まっているものと、時間をかけて確認していくものを分けると、順番が見えてきます。

手続き期限の考え方
死亡届原則として死亡の事実を知った日から7日以内
年金・健康保険の届出年金受給権者死亡届は厚生年金10日以内・国民年金14日以内、国民健康保険や介護保険の資格喪失届は14日以内が目安
相続放棄原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(家庭裁判所に申述)
相続税の申告申告が必要な場合は、死亡を知った日の翌日から10か月以内
相続登記不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内
預貯金・保険・不動産・借金の確認法律上の期限はないが、相続放棄の判断に必要なため早めに

相続放棄の3か月は「財産が分かってから」では間に合わないことがあります

借金があるかもしれない場合に「全部分かってから考えよう」と先送りすると、判断に使える時間がなくなります。財産と負債の全体像を早めに確認することが、期限のある手続きを守る一番の近道です。

ここから先の「調べる手続き」は、次の順番で進めるのが整理しやすいです。

1
戸籍を集めて相続人を確定する
2
預貯金を確認する
3
生命保険を確認する
4
不動産を確認する
5
借金・保証債務を確認する
6
お墓を誰が引き継ぐか、どうするかを決める
親の遺した通帳や書類を前に、何から手を付けるか考えている夫婦のイラスト

通帳や書類が揃っていても、何から手を付けるかが分からないところから相続の整理は始まります

調べる順番|戸籍から始めてお墓まで

① 戸籍を確認して相続人を整理する

財産を調べる前に、誰が相続人なのかを確定します。相続人が分からないままでは、金融機関の手続きも遺産分割も進みません。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどり、相続人を確認します。前婚の子がいる、兄弟姉妹が相続人になる、代襲相続が起きている、といった場合は必要な戸籍が増えます。

「家族だから相続人は分かっている」と思っていても、戸籍を取って初めて分かることがあります。

特に、親の親(祖父母)の名義のままになっている土地など、古い相続が残っている場合は、現在の家族だけを見て判断しないことが大切です。

② 預貯金を確認する

使っていた銀行が分かっていれば、その金融機関に相続手続きの案内を求めます。問題になるのは、どの銀行を使っていたのか分からない場合です。

通帳、キャッシュカード、郵便物、スマートフォンのアプリ、過去の振込記録などから金融機関を洗い出していきます。残高だけでなく、亡くなる前後の大きな出金など、取引履歴の確認が必要になることもあります。

具体的な調べ方は、次の記事で項目ごとに説明しています。

亡くなった親の財産がわからない|預貯金・不動産・生命保険を調べる方法

③ 生命保険を確認する

生命保険は、通帳のように目に見える形で残っているとは限りません。保険証券が見つからなくても、口座からの保険料の引落し、保険会社からの郵便物、年末調整や確定申告の控除証明書などが手掛かりになります。

どの保険会社かまったく分からない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を利用できる場合があります。預貯金だけ確認して「財産調査は終わり」と判断しないことが重要です。

④ 不動産は自宅以外にもないか確認する

自宅の土地・建物だけでなく、山林、農地、昔購入した土地、親が引き継いだ実家の土地などが残っていることがあります。家族が知らなかった不動産が、相続のあとに固定資産税の通知で分かる例もあります。

固定資産税の納税通知書、権利証や登記識別情報、市区町村で取れる名寄帳などを確認します。法務局の「所有不動産記録証明制度」を使えば、条件を満たす場合に登記名義人ごとの不動産を一覧で確認する方法もあります。

不動産が見つかった場合の相続登記は司法書士と連携して進めます。その前段階として「どんな不動産が、どこにあるのか」を整理しておくことが、登記をスムーズに進める土台になります。

「何があるのか分からない」段階でも相談できます

全部を依頼する必要はありません。戸籍だけ、預貯金だけ、不動産だけ、生命保険だけなど、ご自身では難しい部分だけをお伝えください。現在分かっていることから、何を調べる必要があるかを一緒に整理します。

とりあえずLINEで相談する

⑤ 借金や保証債務がないか確認する

相続では、プラスの財産だけを引き継ぐわけではありません。借入金、未払いの税金、他人の借金の保証人になっている保証債務も相続の対象になります。

預貯金や不動産が見つかったからといって、すぐに「相続して問題ない」とは判断できません。金融機関からの督促状、消費者金融やカード会社の郵便物、信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への開示請求などで確認します。

借金があるかもしれないなら、財産より先に負債を確認します

相続放棄は原則3か月以内の手続きです。負債の有無が分からないまま預貯金を使ってしまうと、相続を承認したとみなされる可能性があります。

⑥ お墓は相続財産とは別に整理する

親が亡くなると、預貯金や不動産とは別に「誰がお墓を継ぐのか」「遠方のお墓を今後どうするのか」「墓じまいをするのか」という問題が出てきます。

お墓や仏壇は「祭祀財産」として、預貯金や不動産とは別の扱いになります。遺産分割の対象ではなく、祭祀を主宰する人(祭祀承継者)が引き継ぎます。そのため、相続放棄をしてもお墓の問題が自動的に解決するわけではありません。

相続放棄してもお墓は放棄できない?祭祀承継者と墓じまい費用の負担

お墓を今後どうするかは急いで決める必要はありませんが、遠方で管理が難しい、継ぐ人がいない、という場合は、相続の整理と並行して墓じまいや改葬の手続きを検討しておくと、あとから同じ家族関係の確認をやり直さずに済みます。

全部を一度に片付けなくてよい|分からない部分だけ相談する

親が亡くなったあとは、やるべきことが多いため「全部終わらせなければ」と考えると負担が大きくなります。まずは期限のある手続きを押さえ、その次に相続人と財産を順番に整理していけば十分です。

財産調査も、すべてを専門家に頼む必要はありません。たとえば次のような形で進める方もいます。

・預貯金は自分で調べるが、不動産だけ調べてもらう
・生命保険に入っていたかどうかだけ確認してもらう
・戸籍の収集と相続人の確定だけ依頼する
・財産の整理と一緒に、墓じまいの手続きも進めてもらう

スーツ姿の行政書士に相続手続きの進め方を相談している夫婦のイラスト

分かっていることだけを伝え、何を調べる必要があるかを整理してもらうところから相談は始められます

行政書士に相談するタイミング

「財産が全部分かってから相談しよう」と考える必要はありません。むしろ、何があるのか分からない段階で全体像を整理するのが相続財産調査です。

当事務所では、現在分かっている情報を確認し、何を調べる必要があるかを整理したうえで、必要な部分についてのみ対応します。相続登記は司法書士、相続税の計算・申告は税理士と連携して進めます。

このような段階でご相談いただいています

・親の通帳が見つからない
・どこの銀行を使っていたか分からない
・生命保険に入っていたかどうか分からない
・自宅以外にも土地があるかもしれない
・借金がある可能性があり、相続放棄を迷っている
・戸籍をどこまで取ればよいか分からない
・相続と一緒にお墓も整理したい

行政書士に依頼できる範囲と費用については、次の記事にまとめています。

相続財産調査は行政書士に依頼できる?預貯金・不動産・生命保険の調べられる範囲と費用

親が亡くなったあとの手続きについてよくある質問

Q. 親の財産がまったく分かりません。それでも相談できますか?

はい、相談できます。分かっている金融機関や不動産がない段階でも、手元に残っている郵便物や書類を確認しながら、何を調べるかを整理します。

Q. 財産調査の一部だけ依頼できますか?

はい、一部だけの依頼も可能です。不動産だけ、生命保険だけ、戸籍収集だけなど、ご自身では難しい部分のみを対象にします。

Q. 相続登記も行政書士に依頼できますか?

いいえ、相続による不動産登記の申請は司法書士の業務です。当事務所では、その前段階となる戸籍の収集や不動産の洗い出しを行い、登記は司法書士と連携して進めます。

Q. 相続税がかかるかどうかも調べてもらえますか?

財産の所在と内容を確認する調査は可能です。ただし、相続税の具体的な計算や申告は税理士の業務になるため、必要な場合は税理士と連携します。

Q. 墓じまいについても一緒に相談できますか?

はい、相談できます。相続財産の整理と並行して、お墓の承継や墓じまい、改葬許可の手続きについてもご相談いただけます。

まとめ|順番を決めれば、一つずつ整理できます

親が亡くなったあとの手続きは、まず期限のあるものを押さえ、次に戸籍→預貯金→生命保険→不動産→借金→お墓の順番で確認していきます。最初からすべてを知っている必要はありません。分からないものを一つずつ確認していくことが、相続の整理です。

途中で手が止まった部分だけ、行政書士に相談することもできます。現在分かっていることだけお知らせください。

フジ行政書士事務所|相続財産調査・戸籍収集・墓じまい(全国対応・初回相談1時間無料)

大阪・箕面の事務所より、郵送・オンラインで全国のご相談に対応しています。

とりあえずLINEで相談する フジ行政書士事務所ホームページ

※本記事は一般的な手続きの流れを整理したものです。期限や必要書類は個別の事情によって異なる場合があります。不動産の相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士の業務です。

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この記事を書いた人

大阪府箕面市のフジ行政書士事務所代表。改葬許可申請など、墓じまいに伴う行政手続きや書類作成を支援しています。ご家族や寺院への配慮を大切にし、遠方のお墓にも対応しています。大阪府行政書士会所属(登録番号 第24261915号)。

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