【お墓の放置は危険】日本に残したまま帰国するとどうなる?

日本に残したまま帰国するとどうなる?管理費滞納と「無縁仏」の悲しい末路

「日本での仕事も終わり、来年母国へ帰ることになった」
「亡くなった夫のお墓があるけれど、もう日本に戻ってくる予定はない」

そのような状況になったとき、あなたはお墓をどうしますか?
「手続きがよく分からないし、お金もかかりそうだから、とりあえずそのままにしておこう」と考えてはいませんか?

実は、お墓を放置して帰国することは、法律的にも、そして残された親族にとっても、非常に大きなリスクを伴います。
今回は、管理費を支払わずにお墓を放置した場合に進行する「強制撤去(無縁改葬)」のプロセスと、立つ鳥跡を濁さないための正しい処置について解説します。


目次

1. 「管理費」を払わないとどうなる?お寺からの連絡と滞納の実態

日本のお墓(霊園・寺院墓地)には、土地の使用権を維持するための「年間管理料」があります。
あなたが日本を去り、住所変更の手続きもしないまま管理料の支払いが止まると、どうなるのでしょうか。

督促状が届かなくなる

最初の数年は、お寺や霊園から日本の旧住所に請求書が届きます。しかし、あなたは既に帰国しているため、これを受け取ることができません。
管理者は「連絡がつかない」「支払う意思があるのか分からない」状態になります。

「保証人」への請求

多くの墓地契約では、契約時に日本在住の「墓地使用保証人」を立てているはずです(親戚や友人など)。
本人と連絡がつかない場合、管理者は保証人に対して滞納分の管理料を請求します。
「黙って帰国すればバレない」と思っていても、実際には、あなたが日本でお世話になった保証人に多大な金銭的迷惑をかけることになるのです。

2. 法律による強制執行。「無縁仏」として撤去されるまでのフロー

保証人も支払わず、長期間(一般的に3年以上)管理料の滞納が続くと、日本の法律(墓地、埋葬等に関する法律)に基づき、お墓の強制撤去プロセスが始まります。

お墓に「立札」が立てられる

ある日、あなたのお墓の前に「このお墓の持ち主を探しています。1年以内に申し出がない場合、撤去します」という内容の木の立札(看板)が立てられます。
これは法律で定められた手続きです。久しぶりにお墓参りに来た知人がこれを見たら、どう思うでしょうか。

官報への掲載と処分手続き

同時に、国の機関紙である「官報」にも氏名やお墓の場所が掲載されます。
これらの一連の手続き(公告)を経て、1年間誰からも連絡がない場合、そのお墓は法的に「無縁墳墓(むえんふんぼ)」と認定されます。

墓石の撤去と遺骨の合祀

無縁墳墓と認定されると、管理者は墓石を強制的に撤去・処分する権限を持ちます。
中に入っていた大切な家族の遺骨は取り出され、他の方の遺骨とまとめて「無縁塚」などに合祀(ごうし)されます。
一度合祀されてしまうと、後から「やはり遺骨を返してほしい」と言っても、二度と取り戻すことはできません。

3. 放置が招く「心の借金」。日本にいる親族とのトラブル

法的・金銭的な問題以上に深刻なのが、人間関係のトラブルです。

親族からの不信感

例えば、あなたの配偶者(日本人)の親族が日本に残っている場合、彼らは「〇〇さんは、お墓を捨てて国へ逃げた」と認識するでしょう。
お墓は単なる石ではありません。一族の精神的なシンボルを粗末に扱ったことで、将来的に子供世代が日本を訪れた際、親族から冷たくあしらわれる原因になりかねません。

数十年後に請求が来るケースも

稀なケースですが、数十年後に子供がルーツを探しに日本へ来た際、お寺から「未払いだった管理費と撤去費用」の話をされ、トラブルになることもあります。
問題を先送りにしても、誰かがいつか清算しなければならないのです。

4. 正しい「終わらせ方」。帰国前にできる2つの選択肢

悲しい結末を避けるために、帰国前に必ず「墓じまい」を行いましょう。選択肢は主に2つあります。

① 墓じまいをして、遺骨を母国へ持ち帰る

お墓を更地にして管理者に返還し、取り出した遺骨を海外へ搬送する方法です。
完全に日本のしがらみを断ち切ることができるため、永住帰国をする方には最もおすすめの方法です。

② 「永代供養(えいたいくよう)」に切り替える

「遺骨を持って帰るのは大変」「日本が好きだった故人のために、日本に眠らせてあげたい」という場合は、今の墓地を片付け、同じ霊園内の「永代供養墓」や「合祀墓」へ遺骨を移します。
これなら、最初にお金を払えばその後の管理費は不要です。お寺が続く限り供養してくれるため、無縁仏として処分される心配もありません。


きれいさっぱり片付けて、新しい生活へ

「お墓を放置する」ということは、大切な家族の遺骨を「ゴミ」のように扱われるリスクに晒すことと同じです。

手続きは確かに複雑です。役所の許可、石材店の手配、閉眼供養(魂抜き)など、やるべきことは山積みです。
しかし、これらを済ませてから帰国することは、日本での生活を支えてくれた故人への最後の恩返しでもあります。

フジ行政書士事務所では、帰国を控えた外国籍の方の「墓じまい代行」を承っております。
役所手続きから、お寺への連絡、石材店の手配まで、あなたが日本にいる間に全て完了できるようサポートします。
「無縁仏」という悲しい結末を避けるため、帰国の航空券を取る前に、まずは一度ご相談ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

「こんなこと聞いてもいいのかな?」
—— 大丈夫です。あなたの気持ちに寄り添いながらお手伝いします

フジ行政書士事務所では、墓じまい・改葬・永代供養など、お墓に関するあらゆるご相談を受け付けています。
「費用のことが不安」「どんな手続きから始めたらいいかわからない」「お寺との話し合いが心配」――そんなときこそ、どうぞお気軽にご相談ください。
一人ひとりの状況に合わせて、無理のない方法をご提案しながら、丁寧にサポートいたします。

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