墓じまいで多い心配ごとと注意点|増加する理由と実務で起きるトラブルも解説

墓じまいで多い心配ごとと実際に起きやすい問題

墓じまいで多くの方が心配する点や、必ず押さえておくべき注意事項は、親族間の意見の不一致やお寺への相談の仕方、書類の段取りの高さ、そして石材店との調整など、実際に取り掛かると予想以上に多岐にわたります。特に親族の同意が得られない、費用負担の話し合いがまとまらない、お寺への切り出しが難しい、離檀料の金額が心配、閉眼供養の必要性が分からないといった不安はよく聞かれます。また、改葬先が決まっておらず手続きが進まないケースや、役所の窓口で書類不備を指摘されて出直しになるケースもあり、役所・寺院・新しい納骨先・石材店という複数の関係者の予定を調整するだけでも簡単ではありません。

実務の現場では次のようなトラブルも実際に起きています。

  • 工事当日に親族から「やっぱり反対」と連絡が入り作業が中止になった
  • 離檀料の金額が折り合わず、数か月話し合いが進まなかった
  • 改葬先の受け入れ証明がなかなか発行されず、閉眼供養の日程を変更せざるを得なくなった
  • 当日の作業で「基礎が想定より深かった」と追加料金が発生した
  • 寺院との相談が不十分で、予定していた石材店が入れず別の業者を探すことになった

費用・段取りでつまずきやすいポイント

石材店による撤去費用は、基礎コンクリートの厚みや外柵の重さ、墓石の形状、重機の入れない立地、参道の狭さなどの条件によって大きく変わります。費用が高くなりやすい例としては、次のような状況が挙げられます。

  • 基礎コンクリートが極端に厚い
  • 外柵が重厚で人力では動かせない
  • 墓石のデザインが複雑で分解に手間がかかる
  • 墓地が山の上や坂の途中にあり、重機が入らない
  • 参道が狭く搬出経路に制限がある

墓じまいをスムーズに進めるための全体の流れは、実務上は次のようになります。

  • 親族への相談
  • 新しい納骨先の決定(受け入れ証明の取得)
  • 現在の墓地(寺院や管理者)に相談
  • 埋葬証明書など必要書類の取得
  • 役所で改葬許可申請
  • 閉眼供養の日程調整と実施
  • 石材店による撤去工事
  • 新しい納骨先への納骨

なぜ墓じまいが増え続けているのか

それでも墓じまいは急増しており、少子高齢化による承継者不在や都市部への人口移動、さらに経済的負担の増加などが重なって、「続けたくても続けられない」という家庭が確実に増えているのが現状です。以前であれば親族の誰かが自然に引き継いでいた墓地管理も、今では夫婦ともに実家から離れて暮らしていたり、子どもがいなかったりと、家族の形が大きく変化しています。そのため墓地の維持が家の責任から個人の判断へと移り変わり、結果として墓じまいという選択肢がこれまで以上に身近なものになっています。

また、寺院墓地・民営霊園・公営墓地を問わず、管理者側からも「無縁墓になってしまうくらいなら早めに相談してほしい」という声が増えています。無縁化すると墓地全体の管理に大きな負担がかかるため、計画的な墓じまいはむしろ歓迎されることも珍しくありません。利用者と管理者の双方が合理性を重視するようになり、墓じまいは特別ではなく、身のまわりで普通に起こりうる生活上の手続きとして受け止められつつあります。

心理的な不安と専門家が支える場面

墓じまいの相談者の多くは、先祖に対して申し訳ない気持ち、本当にこれで良いのかという迷い、親族に反対されるのではないかという心配、周囲にどう思われるかという不安など、複雑な思いを抱えています。墓じまいは単なる手続きではなく、心の整理も同時に必要になります。

一方で、書類の段取りや親族間の同意、寺院への説明、石材店との調整など、慎重に対応すべき点はいまだに多く残っています。特に急いで進めたい家庭ほど、手続きを飛ばしたり関係者への説明が不十分になりがちで、そこからトラブルが生まれることが少なくありません。だからこそ、まずは落ち着いて手順を整理し、一つひとつ確認しながら進めることが大切です。

行政書士は、こうした複雑な手続きや調整を第三者としてサポートし、書類作成からスケジュールの整理、寺院との話し合いの文案づくりまで、相談者の負担を軽くする役割を担うことができます。誰に相談したら良いか分からないという状態から抜け出し、安心して手続きを進めるための一歩として、専門家に相談することも選択肢のひとつだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

「こんなこと聞いてもいいのかな?」
—— 大丈夫です。あなたの気持ちに寄り添いながらお手伝いします

フジ行政書士事務所では、墓じまい・改葬・永代供養など、お墓に関するあらゆるご相談を受け付けています。
「費用のことが不安」「どんな手続きから始めたらいいかわからない」「お寺との話し合いが心配」――そんなときこそ、どうぞお気軽にご相談ください。
一人ひとりの状況に合わせて、無理のない方法をご提案しながら、丁寧にサポートいたします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次