【完全版】日本から母国へ:遺体の海外送還詳細チェックリスト

ー 外国人居住者とご遺族のための実務ガイド

日本で大切な方を亡くし、母国での土葬や供養を希望する場合、日本国内の行政手続き、相手国(母国)の入国許可、そして航空会社の輸送基準という3つの異なるルールを同時にクリアしなければなりません。

このリストは、外国人の方が日本で直面する「言葉と制度の壁」を乗り越えるための実務的なロードマップです。

目次

1. 日本国内で「最優先」で取得・手配すべきもの

日本の病院や役所から発行される書類は、すべての基礎となります。翻訳が必要になるため、早めの取得が肝心です。

死亡診断書(死体検案書)の原本(3〜5枚):
医師または警察から発行されます。送還用、日本の役所用、保険会社用などに必要です。

死亡届の受理証明書:
市区町村役場に死亡届を出した際に申請します。領事館での手続きに必須となります。

非感染症証明書(Medical Certificate of Non-Infectious Disease):
特定の伝染病を患っていなかったという医師の証明。航空便への搭乗に不可欠です。

国際搬送対応の専門葬儀社の確保:
英語対応や領事館交渉が可能な「International Repatriation」の実績がある会社を選んでください。

2. 遺体の処置と輸送準備(国際基準のクリア)

遺体を「貨物」としてではなく「人間」として尊厳を持って運ぶために必要な準備です。

エンバーミング(防腐処置)の実施:
航空輸送には数日を要するため、事実上の必須条件です。

エンバーミング証明書(Certificate of Embalming):
処置を行った専門施設が発行。検疫で重要視されます。

国際輸送専用の棺(二重構造)の手配:
金属製の内棺(亜鉛や銅)で完全密封され、さらに木製の外箱で梱包されている必要があります。

梱包証明書(Certificate of Casket/Packing):
棺が航空輸送の安全基準を満たしていることを証明する書類です。

3. 母国の領事館・大使館での認可(入国許可)

ご遺体が母国の空港に到着した際、スムーズに入国するための手続きです。

遺体送還許可証(Laissez-passer for a Corpse):
駐日大使館が発行する「遺体のパスポート」です。

翻訳と公証(Translation & Notarization):
日本の書類を母国語に翻訳し、領事や公証役場から正当性を認められる必要があります。

故人のパスポート原本:
遺体と一緒に輸送されます。本人確認に不可欠です。

4. 航空会社(エアライン)への提出書類

航空貨物運送状(Air Waybill / AWB):
予約したフライトの番号、到着予定時刻が記載されたもの。

輸出申告書(Export Declaration):
税関に対する「輸出」手続き。葬儀社が代行するのが一般的です。

外国人の方が特に注意すべきポイント

  • アポスティーユの確認: 国によっては外務省の証明(アポスティーユ)を求められます。取得に日数がかかります。
  • 警察の介入: 急死や事故死の場合、警察の「検視」が終わるまで書類が出ず、フライト予約が遅れることがあります。
  • 宗教的禁忌: 航空輸送の都合上、宗教的な「即日埋葬」が難しいことを理解し、コミュニティと相談しておく必要があります。

チェックリストまとめ表

フェーズ必要なもの入手先
即時死亡診断書、専門葬儀社、
パスポート
病院、警察、自宅
24-48時間以内エンバーミング、翻訳、
役所への死亡届
葬儀社、市区町村役場
72時間〜1週間領事館認証、航空便予約、
送還許可証
各国大使館、航空会社

まとめ:専門家を頼り、費用と書類の壁を乗り越える

海外送還の手続きは、愛する人を亡くした悲しみの中で進めるには、あまりに複雑で過酷な作業です。決して一人で抱え込まず、以下の3つのルートを至急確認し、プロの力を借りてください。

1. 「費用」の確保:保険と大使館の確認

海外送還には100万円〜200万円を超える多額の費用がかかります。この経済的負担を軽減するために、故人の生命保険だけでなく、クレジットカード付帯の海外旅行保険(家族カードを含む)に「救援者費用」や「遺体搬送費用」が含まれていないかを至急確認してください。

また、ご自身の国の「在日大使館の援護担当者」へ真っ先に連絡を入れてください。彼らは費用の工面や、母国側での受け入れ態勢について、最も頼りになるアドバイザーとなります。

2. 「書類」のプロ:行政書士の活用

海外送還において最大の障壁となるのが、膨大かつ厳格な書類手続きです。 役所への届出、死亡診断書の翻訳、公証役場での認証、そして外務省の「アポスティーユ(国際的な公文書証明)」の取得など、一つでも不備があればフライトは許可されません。

これらの「事実証明に関する書類」の作成や、複雑な行政手続きの代行は、行政書士の専門分野です。行政書士は、法的・行政的な側面から書類の完璧な整備をサポートし、スムーズな出国を可能にする強力なパートナーとなります。

3. 「運送」のプロ:国際搬送葬儀社

エンバーミング(防腐処置)や、航空貨物としての通関手続きは、国際搬送の経験豊富な葬儀社でなければ対応できません。遺体の尊厳を守り、物理的な移動を担うプロとしての役割を担います。


「何をすればいいか分からない」と立ち止まる前に、まずは大使館、そして行政書士や専門葬儀社へ一報を入れてください。 専門家が連携することで、故人を母国へとお戻しするための道筋が必ず見えてきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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