遠方の実家になかなか帰れない…現地に行かずに「墓じまい」は可能?手続きのポイントと注意点

「実家のお墓が遠方にあって、なかなか管理に行けない」 「高齢になり、お墓参りのための長距離移動が辛くなってきた」 「仕事が忙しく、役所の手続きのために平日に休みが取れない」

当事務所には、このようなご相談をいただくことが増えています。

お墓を維持するのが難しいとわかっていても、物理的な距離や時間の問題で、なかなか「墓じまい(改葬)」に踏み切れないという方は少なくありません。

そこで今回は、**「現地に行かずに墓じまいを進めることは可能なのか?」**という疑問について、行政手続きの専門家である行政書士の視点から解説します。

結論:ほとんどの手続きは「郵送・電話・代理」で可能です

結論から申し上げますと、現代においては現地に一度も足を運ばずに墓じまいを完結させることは、仕組み上は可能です。

墓じまい(改葬)に必要な工程は、大きく分けて以下の3つです。

  1. 行政手続き(役所への申請など)
  2. 現場作業(お墓の撤去、遺骨の取り出し・搬送)
  3. 宗教的儀式・交渉(お寺への挨拶、閉眼供養)

このうち、1と2は電話や郵送、業者の手配でほぼ解決できます。最もハードルが高いのは「3」のお寺様への対応です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 行政手続きは「郵送」または「専門家」にお任せ

墓じまいをするには、現在お墓がある自治体(市町村役場)から**「改葬許可証」**を発行してもらう必要があります。

この申請手続きは、多くの自治体で郵送での対応が可能です。 しかし、申請書には現在の墓地管理者(お寺の住職など)の署名・捺印が必要だったり、添付書類が複雑だったりと、慣れていない方には少々ハードルが高いのも事実です。

また、不備があると郵送で何度も往復することになり、時間がかかります。 ここについては、行政書士に依頼することで、申請書の作成から提出代行までをスムーズに進めることができます

2. お墓の撤去・遺骨の搬送は「業者」にお任せ

石材店さんとの契約も、電話やメールで可能です。現地の写真を送ってもらい、見積もりを出してもらう流れが一般的です。

また、取り出した遺骨の移動についても、ご自身で運ぶ必要はありません。 現在は「送骨(そうこつ)」といって、ゆうパックなどの特定のサービスを使って、新しい納骨先へ遺骨を送ることが認められています。 石材店によっては、遺骨の取り出しから洗浄(洗骨)、そして送骨まで一括で請け負ってくれるところもあります。

3. 最大の難関は「お寺への挨拶」と「閉眼供養」

物理的な作業はリモートで済みますが、最も配慮が必要なのが**「長年お世話になったお寺様への挨拶」**です。

いきなり電話一本で「辞めます」と伝えてしまうと、心情的なもつれからトラブル(高額な離檀料の請求など)に発展するケースがあります。

本来であれば直接お会いして事情を説明するのが筋ですが、どうしても行けない場合は、以下の手順を踏むことをお勧めします。

  1. 丁寧な手紙を書く: 行けない事情(高齢、病気、遠方など)を正直に書き、感謝の気持ちを伝える手紙を送ります。
  2. 電話でフォローする: 手紙が届いた頃に電話をし、改めて口頭で相談します。
  3. 閉眼供養(魂抜き): お墓を撤去する前に行う儀式です。これには通常、施主の立ち会いが必要ですが、事情を話せば「お寺と石材店だけで執り行う」ことを許可してくれる場合もあります。

無理をして放置するより、専門家を頼って「解決」を

「行けないから」といって放置し続け、無縁仏になってしまうことが、ご先祖様にとっても、残されたご家族にとっても一番悲しい結末です。

ご自身で動くのが難しい部分は、私たち行政書士のような専門家や、代行サービスを頼ってください。

  • 役所への面倒な申請手続き(改葬許可申請)
  • 戸籍等の必要書類の収集

などは、行政書士が代理人として行うことができます。

フジ行政書士事務所では、皆様の事情に寄り添い、スムーズな墓じまいができるようサポートいたします。「遠方でどう手をつけていいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

「こんなこと聞いてもいいのかな?」
—— 大丈夫です。あなたの気持ちに寄り添いながらお手伝いします

フジ行政書士事務所では、墓じまい・改葬・永代供養など、お墓に関するあらゆるご相談を受け付けています。
「費用のことが不安」「どんな手続きから始めたらいいかわからない」「お寺との話し合いが心配」――そんなときこそ、どうぞお気軽にご相談ください。
一人ひとりの状況に合わせて、無理のない方法をご提案しながら、丁寧にサポートいたします。

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