墓じまいの離檀料トラブルはなぜ起きるのか
墓じまいは、単に「墓石を撤去して遺骨を移す」だけの作業ではなく、お寺との関係や親族間の意見調整が必要になる、非常にセンシティブな手続きです。特に離檀料は法律で金額が決まっているわけではなく、慣習や寺院の考えによって大きく異なるため、トラブルになりやすい領域です。
一般的には「お世話になったお寺へのお礼」という位置づけですが、寺院側の気持ち、家族の事情、急な申し出などが絡み合うことで、金額面・手続き面の行き違いが起こることがあります。
墓じまいを検討する方の中には、「お寺から怒られそうで言い出しにくい」「離檀料がいくらなのかわからず不安」と感じる方も多く、心理的なハードルが高いこともトラブルの背景にあります。
離檀料をめぐる主なトラブル事例
墓じまいの現場で実際に多いトラブルとして、次のようなケースがあります。
法外な離檀料の請求
離檀料に明確な法的基準はないため、寺院が提示する金額が妥当かどうか判断しにくいのが実情です。なかには、寺院が突然怒って金額が高騰する、または「今払わないと手続きしない」と一方的に通告されるといったケースもあり、相談者が精神的に追い詰められることも少なくありません。
証明書の発行拒否
墓じまいには自治体への「改葬許可申請」が必要ですが、そのためには寺院が発行する「埋蔵証明書」や署名が不可欠です。離檀料を理由に証明書の発行が遅れたり、拒否されたりするケースがあります。
閉眼供養（魂抜き）の拒否
遺骨を取り出す際に行われる閉眼供養を、お寺が拒否することもあります。閉眼供養がないと作業に入れないため、墓石工事が止まってしまうこともあります。
墓石工事の拒否
石材店は「閉眼供養が済んでいない墓地に手を入れない」という方針を持つことが多いため、お寺の協力が得られない場合、工事そのものが進まなくなることもあります。
これらのトラブルは当事者間の感情が絡むため、長期化しやすく、家族の負担も大きくなってしまいます。
トラブルを避けるための現実的な対処法
墓じまいを円満に進めるためには、次のようなステップを踏むことが重要です。
☑️ まずは「相談」として寺院に伝える
いきなり「離檀します」と切り出すのではなく、「事情があり、今後どうすればよいかご相談したい」という形で話すと、お寺側も受け入れやすくなります。長年のお付き合いがある場合ほど、この“言い方”が非常に大切です。
☑️ 親族間の話し合い
実際に多いのが「親族間の意見の相違」。特に、離檀料を誰が払うか、改葬先をどこにするか、遺骨の扱いへの価値観の違いなどで揉めることがあります。事前の調整が不可欠です。
☑️ 墓石業者へ早めに相談する
業者側も寺院との関係やルールを把握していることが多く、「この寺院の場合はこう進めるのがスムーズ」という具体的なアドバイスをもらえることがあります。
☑️ 専門機関に相談する
どうしても話がまとまらない場合、次の窓口へ相談すると解決の糸口が見つかります。
・ 国民生活センター（188）
離檀料のトラブル相談も多く扱っています。
・ 弁護士
法律的根拠にもとづく交渉が必要な場合に有効です。
また、改葬許可証の発行で困っている場合は、お住まいの市区町村役場に直接相談することもできます。
行政書士に依頼するとトラブルを回避しやすい理由
墓じまいは、表向きの手続きよりも「人間関係の調整」が難しい分野です。寺院とのやり取りも、親族間の調整も、書類の段取りも、慣れていない方が一人で抱え込むと強いストレスになります。
行政書士が間に入ることで、次のようなメリットがあります。
・ 寺院への伝え方・話の切り出し方を事前にアドバイスできる
・ 離檀料の相場感や妥当性について助言できる
・ 改葬許可手続きを正確に進め、必要書類を揃えることができる
・ 役所・石材店との連携をスムーズにできる
・ 感情的なやり取りを避け、冷静な交渉がしやすくなる
つまり、墓じまいのトラブルの多くは「不慣れ」「説明不足」「伝え方の誤解」から生じますが、行政書士がサポートに入ることで、それらを事前に回避できる可能性が高くなります。
「悩む必要はない。まずは専門家に相談する」 これが、墓じまいをスムーズに進める最も現実的で安全な方法です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「こんなこと聞いてもいいのかな？」
—— 大丈夫です。あなたの気持ちに寄り添いながらお手伝いします
フジ行政書士事務所では、墓じまい・改葬・永代供養など、お墓に関するあらゆるご相談を受け付けています。
「費用のことが不安」「どんな手続きから始めたらいいかわからない」「お寺との話し合いが心配」――そんなときこそ、どうぞお気軽にご相談ください。
一人ひとりの状況に合わせて、無理のない方法をご提案しながら、丁寧にサポートいたします。
